(V)暮らしよい家づくりの奥義

4.和室

1.畳の寸法1間が1,82mの通称夾間(江戸間)と1,91mの本間(京間)があります。
それぞれ2間の柱芯で3,64mと3,82mになりますが、本間の場合はさらに柱巾12cmを加え
2間芯々で3.94mが正しく、同じ2間でも30cmの違いがあります。

2.木割和室を和やかにする、あるいは威厳を持った雰囲気にする為の技法があります。柱巾12cmを1として×0.45=5.4cmが鴨居寸法、×0.9=10cmが長押寸法、×1.1=13cmが床框寸法など、これらの基準を元に造作して行くとお好みのイメージに叶う
空間を造ることが可能です。


3.天井高バランスの取れた室を創るために部屋の大きさにより天井高さを調節します。4.5帖2.3m、6帖2.4m、8帖2.5m、10帖2.6mが通常使用する寸法です。 洋間は各々
10cm程度高くするとよいでしょう。


4.畳下地:床下の湿気等で意外に早く傷むので、湿気等への対策が大切です。
床下・畳床が傷むと足元が不安定になり身体に負担が掛かるので、改善を要します。

5.壁:以前は小舞土壁に砂壁塗り。 次に石膏ボードにプラスター塗り砂壁仕上。
現在は石膏ボードにビニール壁紙。
と次々に施工の方法が変わった。
以前は壁が息をしていたと言われるが、現在ではそうは言われないだろう。
 1.シックハウス対策の換気扇の取り付けが室内換気に有効です。
 2.外壁で断熱が十分でない場合は、現在の外壁の上に外断熱工法での改修が
  可能です。

6.天井以前は杉板の竿縁天井でしたが、現在は合板に杉材の薄張りが主流です。
屋根面からの外気の影響を受けやすいので、屋根裏に十分な断熱材が必要です。


7.開口部
1.窓障子の外側のアルミサッシュはペアガラスの二重ガラスが、室住環境の保全に効果(騒音対策、結露、保温、断熱、等)があります。 さらに遮熱用のガラスを使用すると、
日射等を和らげることも可能です。

2.内部引違い戸は滑を良くする部材を使用し、敷居への負担を減らし開閉の潤滑を計る。
3.内部開き戸は出来るだけ和室側に開かないように、片引戸の方法に変える。
4.半間両開戸は下部40cmを引戸にし、布団等の上げ下ろしの支障がないようにする。
5.欄間等は空調の関連を考慮して検討する。

8.和室・照明器具
1.インバーター仕様の器具が読書等に適しているので おすすめです。
2.常夜灯付きの器具、リモコン付きの器具も便利です
3.床の間、壁等に間接照明を設け、常夜灯にする方法もあります。

9.床の間の天井2,4m以上必要です。蹴込板の活用。無双四分一に軸掛けを。雲板三幅吊を設け一対の軸を楽しむ。雑巾摺りを設ける。照明を設ける。床脇は適宜。

10.仏間の位置:西、北、東に納める。神棚とずらす・向かい会わせない。2階に注意
古来から家族が集う居間等がよいと言われるので出来るだけこのように計画します。


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